ストーリー
今日の話題は少し、とっつきにくいかもしれない。
「幼い頃における親との関係を追体験する」セッションを俳優訓練の一つとして長年行った。
そこで僕が恩師から学んだことの一つは
『感情』と『ストーリー』はつながっている、ということ。
幼い頃の感情そのものを感じ取ることが目的だったのだが、感情そのものをダイレクトに思い出したりアプローチすることはできない。
感情はあくまでも『思考』や『五感』の結果、だからだ。
なので恩師は
『当時の状況を肌で思い出しなさい』
『出来事を思い出しなさい』と僕ら生徒にサジェッションしてくれた。
感情は向こうからやってくるから、と。
今、改めて思う。
思考が作り出す「ストーリー」と「感情」は密接だ。
逆に言えば「ストーリー」と「感情」を切り離すことができれば、感情エネルギーそのものを感じることができる。
そこにはポジティブもネガティブもない。ただのエネルギーとしてそこにあるんだ。
「ストーリー」と「感情」を切り離すのは、瞑想だったり、深呼吸だったり、五感に意識を向けることだったりする。
「思考」を静かにさせたり、「思考」を俯瞰することでそれは可能になる。
悲しみのエネルギーは一見、ネガティブだが
「あいつのせいで、、、」
「わたしが不甲斐ないから、、」などとストーリーを語ることを終わらせ、ただただエネルギーとして感情を感じること。
そして、新たに新しいストーリーを語り出せば、それはポジティブな感情にもなりうる。
(ポジティブ、ネガティブ、という言葉はあまり適切ではないが)
新しいストーリーはこうだ。
「なんだか胸の中がモゾモゾする。これは恋?」
「この胸の感じ。まさに私は生きてる!これからが楽しみだ」
恩師は言った。
「舞台に出る前、俳優は不安でしょ。役だって不安よ。その不安を役に使うの。役も俳優もパラレルに生きてるの」
感情エネルギーは、使い方次第。
オセロが一瞬でひっくり返るように、
感情エネルギーもいくらでもひっくり返せるんだ。
0コメント